漢方生薬「冬虫夏草」に期待される効果

冬虫夏草(ﾄｳﾁｭｳｶｿｳ) Cordyceps sinensis

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冬虫夏草とは昆虫に寄生する真菌類でありバッカク菌科に属する。

中国伝統医学において利用されてきた素材であり免疫賦活作用や滋養強壮作用、生活習慣病予防効果がある

有効成分として各種の多糖類が存在する。

これまでに各種の基礎研究が行われており、冬虫夏草による免疫系や内分泌系、循環器系への好影響が示されてきた。具体的には免疫賦活作用として、ＮＫ細胞の活性化、単球やヘルパーＴリンパ球の活性化、インターフェロンやインターロイキン１の産生増加が示された。また、抗腫瘍作用として肺ガン細胞や悪性黒色腫細胞に対する効果が報告された。がん細胞を移植した動物に冬虫夏草を投与したところ、延命効果が認められたというデータもある。

化学療法時の副作用軽減作用が示唆されており、がん患者におけるＱＤＬ改善に効果が期待される。本邦でも冬虫夏草による効果を認めたという症例報告が知られている。

さらに抗糖尿病作用、コレステロール低下作用、肝障害や腎臓障害の改善作用、育毛（毛再生）促進作用等が示唆されてきた。

動物実験では冬虫夏草の菌糸体熱水抽出物が総コレステロールおよびＬＤＬコレステロールを減少させ、ＨＤＬコレステロールを増加させた。その他、健常者に投与した実験では、運動能力・抗疲労能・循環機能の向上を認めたという報告がある。冬虫夏草は伝統医療で

用いられてきた成分であり、許容性はきわめて高いと考えられる。

＜冬虫夏草に期待される効果＞

・免疫賦活作用

・滋養強壮作用

・高脂血症・糖尿病改善作用

・抗疲労作用

・運動能力向上作用

・抗がん作用