ED(勃起不全)の定義
ED: Erectile Dysfunction(勃起不全ぼっきふぜん)は、男性の性機能障害(Sexual Dysfunction)SDの一種であり、陰茎の勃起の発現あるいは維持のできないために満足に性交の行えない状態、
または性交時に有効な勃起が得られないため満足な性交が得られない状態、通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態である。勃起機能障害、勃起障害、より一般的には陰萎、(性的)不能などとも呼ばれる。
勃起困難、硬度不足などのほか、勃起の維持も診断の基準となっており、性交の途中であるにも拘らず
性交渉の完了まで充分な勃起を維持できない症状、いわゆる「中折れ」もEDである。
本症はかつてはインポテンスもしくはインポテンツ( Impotenz、略称: インポ)と呼ばれるのが一般的であった。しかしながらその定義は「性欲、勃起、性交、射精、オーガズムの一つでも欠けるか不十分なもの」とされていた。これは現在で言うところの性機能障害に相当する症状である。いまだに、勃起不全 (ED) は性機能障害 (SD) と同一視されるが、EDはSDの一つに過ぎない。また広義での男性不妊症と捉えられがちであるが、2010年現在は男性の体内からの精子採取による人工授精などが可能であり、
また、不妊症は「正常な性行為を一定期間続けても妊娠に至らない」ケースを指すため、正常な性行為を行い得ない本症は厳密には男性不妊症には該当しない。また、「インポ」は多分に侮蔑的な意味を含んでいるとも取られるため、現在の日本においてはその正確な表現として勃起不全、または英語の Erectile Dysfunction を略してED(イーディー)と呼ばれることが多い。
EDに悩む人は、加齢に伴い増加傾向にある。器質性のEDは50代以上に多く見られるが、機能性(心因性)のものは若年層にも多く見られる。2010年現在、日本を始めとする先進国では健康寿命が長い傾向があり、永く性生活を楽しみたいと考える老年者が増えてきたことも、近年EDが注目される要因とも考えられる。あるデータによれば、その罹患率は40代前半16%、40代後半20%、50代前半36%、50代後半47%、60代前半57%、60代後半70%、である。また、ある報告に拠れば、20歳から39歳という若年層の4.7%が勃起不全を訴えている。
かつては患者が非常に言い出しにくい症状であり、治療も困難であったが、バイアグラ・シアリス・レビトラや威龍エージェンシーでも取り扱っている威龍シリーズも含めさまざまな勃起薬等の出現以降、パートナー(妻)の助けも必要とせず、患者単体で治療に当たれる事から、患者もより積極的に治療に当たれる体勢が整いつつある。